フィリピンの基礎知識

フィリピンの国名

フィリピンの正式な国名は,英語で「Republic of the Philippines」,フィリピン語で「Republika ng Pilipinas」といいます。フィリピンでは英語とフィリピン語のそれぞれが公用語であることから,正式国名もそれぞれの言語で存在しています。

いずれも,日本語では「フィリピン共和国」と訳されます。

多少,表記で悩むのは,英語を用いるときです。

英語では,慣用国名として,the Philippinesと表記するのが普通です。学校で習った記憶も忘却の彼方ですが,複数形にtheがつく場合ですね。the United States of Americaと同じタイプです。

他方で,「フィリピンの」という形容詞は,Philippineと単数形です。このブログのドメイン名が,Philippines Lawではなく,Philippine Lawなのはこのためです。

ではなぜそもそも,フィリピンという名前なのかという点ですが,これはフィリピンがヨーロッパ社会と接触して,スペイン植民地とされた当時のスペインの王太子フィリペ(後の国王 フェリペ二世)に由来するとされています。フィリピンはヨーロッパ社会との接触後,300年以上に渡ってスペイン植民地であったのです。国の名前に歴史ありですね。

フィリピンの人口

フィリピンの人口は2015年時点で1億2百万人。世界12位の人口を誇ります。

近年やや伸び率が鈍化しているものの,年間1.5パーセントの増加を続けており,当分の間人口増加が続くと予想されています。年齢中央値は24歳,出生率3という非常に年齢構成の若い国家であり,今後の内需の伸びが期待されます。

http://www.tradingeconomics.com/philippines/population/forecast

フィリピンの通貨「ピソ」or 「ペソ」

フィリピンの通貨は日本語では「ペソ」と呼ばれています。この数年の交換レートは1ペソ=2〜2.5円です。

通貨コードはPHPです。

フィリピン国内における通貨単位の正式名称は「piso」(ピソ)です。1967年にフィリピン語が紙幣・通貨に記載されるようになって以後,「piso」が使用されています。しかしながら,口語あるいは日常語としては,依然として「peso」(ペソ)という発音が使用されています。これは旧宗主国であったスペインの通貨単位に由来するものです(なお,スペインの通貨はペソ→ペセタを経て,現在はユーロ圏となっています。)。

補助通貨として,100分の1の「sentimo」(センティモ)があります。スペイン由来の旧名「centavo」(センターボ)と呼ばれることもあります。存在はしており,お釣りで貰うことも時々はあるのですが,現地のスーパーマーケットで用いることも少なく,あまりなじみがありません。1sentimo,5sentimoなどは,硬貨製造のコストの方が高いのではないかと想像されます。

フィリピンでは2010年に紙幣のデザイン変更がありました。日本の場合,旧札をいつまでも使用することができますが,フィリピンは事情が違います。旧紙幣については2015年末をもって市中通用力を失っており,2016年末までに銀行に持ち込んで新紙幣に交換する必要があります。

2017年以降,旧紙幣は交換もできない単なる紙になる訳ですが,切り替え期には外国人をターゲットにした通用力のない紙幣を用いた両替詐欺等の事案が発生しています。両替所での両替等にはくれぐれも注意してください。また,日本国内でもメルカリなどで通用力がないことを知ってか知らずかでフィリピン紙幣を販売する例が見られます。こちらについてもご注意ください。

フィリピンと日本の時差(日本より1時間遅い)

フィリピンと日本の時差は-1時間です。日本が朝8時とすると,フィリピンは朝7時です。タイムゾーンとしては,UTC+8となります(日本はUTC+9)。サマータイム等の変動制は採用されていません。

感覚的にはほとんど同じと言っても良い程度の差です。これは,日本企業がフィリピンに拠点を設けるときの利点の一つで,時差を気にせずに同時並行的に業務遂行が可能です。

夜間の航空便のあることから,日本で加工した部品を手荷物扱いのハンドキャリーで夜間にフィリピンに運搬し,翌日フィリピンでその組み付けをするといったことも行われています。